北極圏ツアーに参加しまし (Arctic Circle Tour)
以前、南北アメリカ大陸の最南端の街ウシュアイアに行ったこともあり、フェアバンクスにオーロラ観測に来たついでに、今度はアメリカ大陸の北に行ってみるかということで、北極圏ツアーに参加しました。
(オーロラ観測についてはこちら:フェアバンクスにオーロラを見に行きました - Kuma’s diary)
Expediaで検索して出てきたこちらのツアーに参加しました。
https://www.expedia.com/things-to-do/full-day-arctic-circle-tour.a429721.activity-details
基本的にはダルトンハイウェイをひたすら北上するツアーなので、自分で車で行くという手もあります。 ただし、12月なのでほぼ雪道、ケータイの電波届かない=何かあっても助けが呼べない等の不安があり、自分はツアー参加一択でした。
■道中の風景
氷のせかい
パイプライン(北極海の油田からアラスカ南部の港町まで延々と続きます。ダルトンハイウェイは基本そのために設置された)
樹氷(もはや木の形が分からない)
行ってみて思ったのは、自分でくるのは絶対無理だということ。こんなとこで取り残されたら、不安すぎる。実際、ひっくり返った車を道中で2台見ました。
ツアーガイドの方は、以前、ひっくり返った車の中から凍死寸前の中国人を二人救出したそうです。自分の運転で行く場合は、それなりの覚悟をして行きましょう。(そもそも、レンタカーの場合だと、ダルトンハイウェイを走ることをレンタカー会社は許可していないようです)
ちなみに、フェアバンクスでは非常に多くの中国の方がいました。ツアーガイドの方も昔は日本人が多く、今は中国人に代わったと言っていました。 後、中国にはカナダグースしか売ってないの?と思うほど皆カナダグースばかりを着ていました。やはりチャイナマネーすごい。
運良く野生動物も見ることができました。
ムース♀
カリブーの群れ (遠目)
他にも、狼やリンクスなどの肉食動物も見られるそうです。
最終目的地:北極圏との境界線を超えたところにあるポイントがツアーの目的地になります。
Gobblers Knob
Alaska
https://goo.gl/maps/rbJigBV7h7D2
看板以外、何があるというわけではないです。北極圏の境界線も当然目に見えないですしね。
そこまでの景色や動物が凄く印象に残り、よりそう感じさせたのかもしれません。
ちなみに10時ごろに市内を出て、3時過ぎに着いたのですが、既に日は暮れています。
いわゆる極夜を体験するには、もう少し北に行かないといけないようです。
■ツアーガイド小話
アラスカ生まれではないですが長く暮らしている方で、色んな話を聞けて、長い道のりも退屈しませんでした。
-パイプラインには手を出すな
普段は温厚なアラスカな人々だけど、パイプラインに手を出した人間には容赦ないそうです。それだけ、アラスカ経済を支える重要な役割を果たしているのでしょう。(パイプライン5マイル以内の銃を用いたハンティングも禁止だそうです。) ダルトンハイウェイでガードレールが設置されている場所は、車を守る為ではなく、パイプラインを守る為だそうです。実際、パイプラインが離れているところは、ガードレール無かったです。
?パイプライン/石油の恩恵?
・州所得税0%
・フェアバンクス他一部都市の消費税0%
・パイプラインは州民のものという考えで、企業に対して課しているパイプラインの使用料を毎年州民に還元している(結構な額でした!!)
-狼の群れでの走り方
狼は罠にかけて捉えることが多いらしいのですが、そこから学んだのか、群の先頭を走る狼と同じ場所を走るようにしているそうです。
仕留めた狼の写真を見せてもらいましたが、思ったよりデカイ。
-狩で一番怖いのは母親ムース
普段はそこまでではないようですが、子供といる時のムースは凶暴で、あの巨大な足を振り上げて踏みつけてくるそうです。
次点はやはり熊。良く聞く話ですが、遭遇しても必ずしも襲われるわけではなく、ガイドさんも一度睨みあった経験があるそうですが、銃を撃つか否か躊躇している間に、立ち去ったそうです。
-アラスカの人は冬働かない人が多い
冬は仕事が激減するそうで、夏に猛烈に働いて、冬は暖かいメキシコやハワイで過ごすという人が多いそうです。 冗談でしょうが、ビーチでやたら白い、太った人を見かけたらそれはアラスカ人だと思っていいそうです。
-寒い方が運転しやすい
カッチカチに凍った道は逆に走りやすく、ある温度を下回るとタイヤとの摩擦でも氷が溶けなくなり、スリップもしにくくなるそうです。たしかに氷を触った瞬間は肌につきますもんね。
ガイドさんの一番信頼するタイヤはブリザックだそうです。一瞬、その会社に勤める友人の顔が浮かびました。聞いたらさぞ喜ぶことでしょう。
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当初予定してなかった、北極圏ツアーですが、思ってた以上に有意義なものでした。
こういった極寒の地に暮らす人々がどういった生活をもっと知りたいと思いました。
とりあえず、星野道夫さんの旅をする木を読み返すのと、新田次郎さんのアラスカ物語を読んでみようと思います。