IELTSに初挑戦。傾向と対策
アメリカに来て一年以上が経過し、毎日職場で英語を使うので少しは英語力もあがったのかなと思ってはいるのですが、定量的に示せたほうが何かと役に立つかもしれないと思い、何が良いかなと少し調べたところIELTSを受講することにしました。
IELTSはInternational English Language Test Systemの略で、イギリスの複数の団体が共同で運営しています。日本ではTOEICがあまりにも有名ですが、海外ではあまり認知度が高くなく、結果あまり役に立ちません。
一方、IELTSはイギリスだけでなく、アメリカ、カナダ、オーストラリア等への永住権・ビザ等の申請や、大学・大学院への留学において広く受け入れられており、その結果の有用性はかなり高いと言えます。
試験の構成:IELTSは四つのパートからなります。
リスニング(40分)
リーディング(60分)
ライティング(60分)
スピーキング(15分程度)
試験料金:約2万5千円
非常に高額です。スピーキングでも試験官が必要で人件費がかかったり、個室が必要なため会場を抑えるのも多少高いのかもしれませんが、それにしても高いです。TOEICのように気軽には受けられません。
最初は勉強もせずに受けてみようかと考えていましたが、さすがにそれはもったいなく、1か月くらいは勉強してから試験を受けることにしました。
各セクションごとに実施したことをまとめてみました。
まず一番の特徴は全てイギリス英語であること。BBCを思い浮かべてもらうといいかもしれませんが、アメリカやカナダの英語と違い抑揚があり、聞きなれていないとわかりづらいです。使用される単語もアメリカ・カナダとは結構違うことがしばしば。
TOEICは確か、アメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリス英語の混合であったので、イギリス英語が苦手であっても影響は小さいですが、IELTSはイギリス英語が苦手だと致命的です。
もう一つは、TOEICのようにすべてマーク形式では無く、書き取りも問題があること。書き取りといっても、会話や説明を聞きて穴埋めをする程度ですが、困るのがスペルを意外と覚えていないこと。普段パソコンやスマホでしか書くことをしない私は、自動変換やスペルチェック機能に頼り、簡単な英単語でもスペルを完全に覚えておらず苦労しました。例えば、「汚染」は「Pollution」ですがエルって一つだっけ、二つだっけ?と悩んだりします。但し、スペルが間違っていると、間違いとみなされるのか、減点で済むのか、その辺は分かりません。リスニングは全て一回しか流れませんので、悩んでるうちに次の回答を聞き逃すなんてこともあり得るので、分からない問題があってもリスニング問題を聞き終えた後で悩むようにしましょう。
余談ですが、前、アメリカ人にスペルはどうやって学んでるんだと聞いたら、「正直覚えるしかない」と身も蓋もない答えが返ってきました。また、漢字をどうやって覚えるのと聞かれたら、自分も同じ答えになるんでしょうが。
私の対策
特筆すべき点はない気がします。ただしTOEICよりは問題の種類が多く、文章を読み、内容に合致しているものを選ぶTOEICのような問題もある一方で、何節かにわたる文章を読んで、それぞれの節にふさわしいタイトルを選ぶみたいな問題もあります。(日本の学校の国語の問題みたいな感じです。)日本人はリーディングだけは学校でひたすらやらされるので、4つのテストの中でも順応しやすいと思います。
私の対策
少なくとも一度は公式問題集を解いて、制限時間内にできそうかを把握しておく。ちなみにTOEICのリーディングはいつもギリギリの私ですが、IELTSのリーディングは5-10分程度時間が余り、見直しをする余裕がありました。
2つの問題で構成されますが、私はライティングが苦手でした。
いずれもトピックが与えられ、想像で文章を書きあげます。
1問目:簡単な手紙(20分)
友達から聞かれた質問への回答、ホテルに忘れ物をしたのでホテルに当てたレターなど、150単語以上の文章を書く必要があります。
2問目:エッセイ(40分)
与えられトピックに対する意見をまとめます。
例えば、スポーツには子供によい影響をあたえるか、学校ではなく自宅で教育することをどう思うかなど、日本語でも考えてしまうような内容を250語以上のエッセイにまとめる必要があります。
二問目が結構きつく、40分で250語というのが意外と少なくありません。
しかもエッセイというものをこれまでに英語で書いたことがなく、ルールというルールもよく分かりません。
私の対策
ネットで検索すると、回答例がいくつかでてきますので、型を覚えて、意見の良し悪しに拘らず文章を書くことにしました。型というのは、導入文章+賛成意見+反対意見+自分の結論のような感じです。
英語でエッセイを書いた経験がない方は、何回か必ず練習することをお勧めします。慣れると書くスピードも上がり、40分以内で250語以上書きあげることも苦ではなくなってきます。ちなみに、試験時間はそれぞれ20分と40分と書きましたが、あくまで目安であり、60分の間に両方終わらせればよいです。できるだけはやく問1は終わらせてしまい、問2に時間をかけるようにも心掛けました。得点配分も、問2の方が高いそうです。
最後にスピーキングですが、3問に分かれ、それぞれを試験官と1対1で話をする形式になります。
1:カジュアルな会話
2:指定されたトピックに対するスピーチ
3:少し高度な会話
まず1番のカジュアルな会話では、自己紹介をしたり、趣味や仕事について簡単なやりとりをします。聞いたことに的確答えれば問題なさそうです。
次に2番のスピーチですが、これは少し準備した方がよいです。
トピックとそれに関して話すべき内容が記入された紙切れを渡され、1分間の間に話す内容を決めて、1-2分程度話をするというものです。
例えば、”あなたの国の伝統出来なクリスマスの過ごし方”というトピックが与えられ、誰と過ごすのか、どういった料理を食べるのか、その料理の起源は何か、を含めて話をするようにといって具合の指示が書かれています。与えられるトピックが自分にとって話しやすいものかどうかで、難易度が変わりそうです。
最後に3番の、高度の会話ですが、試験官が時事問題や経済問題などの話題を投げかけてきて、それについて自分の考え・意見を述べていきます。1番の延長といった感じですので、そこまで準備をする必要はなさそうです。
私の対策
1、3は特に準備は不要と判断しましたが、公式問題集でどんな内容の質問がでそうかくらいは調べておきました。
2のスピーチは、事前に練習をしました。1分間で話す内容を決めるのは意外と難しいものです。ライティング同様、あくまで説明や意見の陳述がどれだけ正確にできるかが問われるので、話す内容にこだわり過ぎないこと。難しい話をしようとすると、英語であることも相まって、自分でも最終的に何を言っているか分からなくなることがあり、端的に表現することを心掛けました。
また1-2分間で話せる内容を体で覚えることも重要です。私は1分足りなかったかなという場合でも、実際には余裕で1分過ぎていることが多く、感覚とのギャップがないかを確かめておくだけでも価値があります。
勉強を始めてみると、これは結構時間をかけて勉強した方がよいかと思いましたが、正直何点くらいとれるかが気になってしまい、当初の予定通り、1か月ほど公式問題集やりこんだところで切り上げて、試験を受けることにしました。
試験を受けた結果はまた報告します。