アメリカはビール好きにはたまらない国なのかも
日本でも最近は少しずつ、マイクロブルワリーのビールが出回ってきておりますが、やっぱりまだ大手のビール以外はなかなか手に入らず、種類も限られています。
アメリカにきて驚いたのが、マイクロブルワリーがかなりの人気を博していること。
同僚のアメリカ人曰はく、アメリカでもここ何年かで、一気に人気になってきたらしく、それまでは日本と似た状況で、ミラーやらバドワイザーなど、大手のビール会社の商品がほとんどだったそうですが、今はガラッと状況が変わっています。
最近のお気に入りはIPA(Indian Pale Ale)で、ホップがガツンと効いていて、好き嫌いが分かれそうなビールではありますが、自分にはピタッとはまりました。
直接関係あるか分かりませんが、アメリカでは、商用目的でなければ個人でもアルコール飲料の製造が一定量(400L弱)まで認められています。数年前までは、ミシシッピなどのいくつかの州は禁止していたそうですが。(アメリカは連邦法の上に、各州の法律が乗っかってくるのでややこしいです)
会社の同僚の友人は、趣味で始めたビールづくりでしたが、友人からの評判もあまりにも良く、勤めていた会社を辞めて、自分のビール会社を興した人もいるそうです。
アマゾンとかでも、ビール醸造キットなんかも販売されており、今度試してみようかなと密かに考えています。
日本はというと、残念ながら1%以上のアルコール濃度の飲料の製造をみとめておらず、一般的なビールは少なくとも4%程度のアルコール濃度がありますので、個人の趣味でビールを製造することは、商用目的でなくても許されていないということになります。じゃあ免許はどうやったらとれるのというと、これまた不思議な法律なのですが、平成6年以前は2000kL、以降は60kLとすこし緩和されましたが、年間の最低数量基準が設定されており、それより少量のビールの製造は認められないということになっています。(逆じゃないの?と思いますよね。)
60kLというとピンとこないですが、350ml(0.35L)のビール缶の本数に換算すると、
60L × 1000 ÷ 0.35L/本 = 171,428本
単純に考えると、年間でなんと17万本分のビールを作成しないといけないことになります。もししたら緩和基準などもあるのかもしれませんが、かなり敷居が高いですね。製造者も製造場も直近では減少の一途のようです。(ビールの消費量自体が減っていることも影響していそうですが)
設備投資もかなりの額になりそうですし、製造をクリアしても、つぎはうまいこと販売できなけれまるごと損失というリスクもあり、日本は、個人がビールの醸造を始めるのには難しい環境と言えます。
プレモルやらエビスなど美味しいビールもあるのですが、日本でももっといろんなビールが楽しめるようになるといいなぁと切に願います。このままでは劇的な変化は起きそうにないですが・・・。
日本各地のマイクロブルワリーさん、これからも頑張ってください。